勝利者の瞑想法-要約 第一章 今、なぜ瞑想か-仏教とジャイナ教
ジャイナ教はアヒンサー(非暴力・不殺生)とアパリグラハ(無所有・無執着)の戒律と教義が徹底している
教派の一つ白衣派僧侶のしているマスク(Patiパッテイ)、箒(Pichiピチ)がシンボルとてある
仏陀の時代、ジャイナ教はニガンタ派と称され、六師外道の一つとして教えられ、仏教徒は違う宗教とみなされていた
マハーヴィーラ(ジナ=勝利者)の教えであるジャイナ教も、仏陀の教えである仏教も、元をただせば、バラモン教に対するシュラマナ系(自由思想)から起こった宗教
ジャイナ教白衣派のテーラパンタ派と原始仏教は、教義や実践面でより近い関係にある
沖ヨガの沖正弘氏曰く
「ジャイナ教は仏教と完全に同じもので、ヨガを母体として最初に生まれた宗教団体がジャイナ教で、仏陀の教えはジャイナ教が基本となっている」
原始仏教を理解するためにジャイナ教を勉強するのがよく、ジャイナ教を理解するために仏陀の時代の仏教を学ぶのが良い
ジャイナ教と仏教の大きな共通点は次の通りである
「宇宙は神が作ったものではなく、天地創造神が存在せず、宇宙は始めも終わりも無い、太古からからただカルマによって縁起しているだけ」
「神のように私たちをコントロールしている特別の存在は無く、私たちは自己の努力により高い精神的な境地に到達できる」
「自由になるためには、カルマの克服が修行」
自灯明法灯明、自己責任、自力主義を掲げている
・食事の接待をうけることは許されない
・自分で食事を作ることもない
・雨季には一か所に滞在できるが、それ以外の季節は年寄りや病人を除き、各地を遊行し一か所に留まらない
・訪れる各地で説法する
・寺院を持たない
・偶像崇拝をしない
・僧侶は妻帯しない
・尼僧や在家女性との関係は厳しい戒律を守る
・着替えの白衣と托鉢のための鉢と本やノート、筆記用具など手で持って歩けるだけがすべての持ち物
・お金は一切触らない
・寝るときは布団やベッドに寝ず、コンクリートや土間に簡単な敷物をしいてごろ寝する
・船や飛行機、バス、車に乗らない
・裸足で徒歩で旅をする
・夜はむやみに外を歩かない(虫を踏みつけることになるかもしれないため)
仏教にもアヒンサー、アパリグラハはあるが、ジャイナ教は実践面でより厳しい
仏教は大乗化していく過程で理論重視となり実践面が弱くなった
僧侶は本当の無所有、出家
世界一厳しい宗教であり、他の生き物に優しい平和宗教でもある
人間だけでなく、すべての生き物と友情、友愛を育むことを目指している
長い歴史のなかで、宗教の名のもとに戦争や争いを一度も起こしたことのない唯一の宗教
ジャイナ教は裸形派、白衣派、さらに細かくいくつかに分派している
白衣派テーラパンタ派は、今から約250年前にアチャーリヤ・ヴィークシュにより作られたジャイナ教復古主義者の宗派
現在のアチャーリヤ・マハープラギャ師は、10代目のアチャーリヤ(最高指導者)
アチャーリヤの許可なくして何事も進まない
アチャーリアの後継者はすでに決まっておりユバチャリアと呼ぶ
テーラパンタ派はアチャーリヤを頂点として出家、在家を含め全教団が家族的な団結を誇る
不殺生を厳禁とする教義から農業ができないため商人が大多数
商売に成功した裕福な信者が多い
プレクシャ・メディテーションはジャイナ教徒だけのための瞑想法ではない
プレクシャ・メディテーションを学ぶためにジャイナ教徒になる必要もない
真実とは時代を超えて、国境を越えて、人種を越えて主義主張、宗教を越えた本当のこと
プレクシャ・メディテーションは、すべての人がやらなければならない、本質的なこと